2011年10月29日

『白いリボン』の細長いものメモその他

ミヒャエル・ハネケ監督の映画『白いリボン』を見たので、ここにメモを置いておきます


この映画に出てくる細長いものは、父なる神の意志や裁き、罰に関わるものが多いです


・針金
医者の乗った馬を躓かせるもの
見えない罠 見えざる手 発端 裁き 罰

・欄干
牧師の息子が木橋の細い欄干の上を歩き、神の意志を問う
結果、赦される
神様に僕を殺す機会をと、でも神様は僕を受け入れてくれた

・鞭 
牧師の父から娘・息子への罰として与えられる 
『箴言』聖書協会口語訳より
13章24節
むちを加えない者はその子を憎むのである、子を愛する者は、つとめてこれを懲らしめる。
20章30節
傷つくまでに打てば悪い所は清くなり、むちで打てば心の底までも清まる。
23章13-14節
子を懲らすことを、さし控えてはならない、むちで彼を打っても死ぬことはない。
もし、むちで彼を打つならば、その命を陰府から救うことができる。

・白いリボン
についてはここに書いた

・杖
男爵の息子の尻を叩く道具 罰
『箴言』26章3節 聖書協会口語訳
馬のためにはむちがあり、ろばのためにはくつわがあり、愚かな者の背のためにはつえがある。

・ロープ
男爵の息子や助産婦の息子(知的障碍者)を縛った道具 罰
貧農の父親の首吊り自殺の道具

・針
医者が自分の娘に穴を開けるためのもの(娘から弟への言い訳の中に存在)

・手綱
教師が馬車を操縦するためのもの(デートするためのもの)

・笛
男爵の息子に対する、家令の息子の嫉妬を呼び覚ます音

・包帯
医者が傷つけられた助産婦の息子の目を包帯で覆う、目の見えていない助産婦の息子が医者の手を掴む
裁き(正義)の女神Lady Justiceや運命の女神Lady Fortuneは目を布で覆った女性として描かれる
ladyjustice.jpg
画像元
Conservation Solution ≫ Lady Justice, El Paso County Courthouse
http://www.conservationsolution.com/projects/monuments-sculpture/lady-justice-sculpture/
また、目隠しをされた予言者キリストも想起させられる(彼は多分殺された)
フラ・アンジェリコ(ベアト・アンジェリコ)-キリストの嘲笑-(画像・壁紙)
http://www.salvastyle.com/menu_renaissance/angelico_deriso.html


***
その他

助産婦の息子が発見された際のカードは
『出エジプト記』20章5節や『申命記』5章9節、モーセが十戒を授けられる場面の言葉
あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神であるから、わたしを憎むものは、父の罪を子に報いて、三、四代に及ぼし…
(聖書協会口語訳)に由来
新共同訳では「妬む神/嫉妬深い神」が「熱情の神」と訳されている
Good News Collection: 妬みの神 or 熱情の神
http://blogs.dion.ne.jp/mrgoodnews/archives/2515660.html


ネット上で『白いリボン』について書かれた文章を幾つか読みましたが、私が最も感心させられたのはこれです
† VANILLA NARCISSIST †: 『白いリボン』と、死を与える純粋な「無垢」
http://borges.blog118.fc2.com/blog-entry-1123.html


劇中で歌われていたマルティン・ルターの曲『神は我がやぐら』
Ein feste Burg ist unser Gott
A mighty fortress is our God
posted by s at 02:06 | TrackBack(0) | 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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